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     Pt.2 図書館はインターネットで変わるのか?

長谷川豊祐

キーワード インターネット:Z39.50:OPAC:図書館サービス


このページは日本図書館協会が発行している『現代の図書館』(1996年6月号)に掲載された私の論文をもとに構成してあります。


 はじめに
 1 インターネットへの社会の対応  2 インターネットへの企業の対応
 3 インターネットへの図書館の対応  4 インターネットの活用レベル
 5 Web OPACとZ39.50の構造  6 Web OPACとZ39.50 の検索
 7 情報の値段によるユーザー格差  8 まとめ
 おわりに−−図書館のアイデンティティ  引用・参考文献

「道具を所有することと、それを使いこなすこととは同じではない。道具がもつ力と限界を理解し、限界を突破する新しい使い方を発見していくことこそが変革なのである。まず、インターネットという”道具”がもつ本質に迫らねばならない」1)

はじめに   このページの最初へ

 インターネットはどれほど一般化しているのだろうか。インターネット関連の新聞記事は、読売新聞ではこれまでに830件で、最初の記事は93年7月、94年末まででは52件、95年以降は778件2)である。朝日新聞では95年10月までに510件で、93年に1件、94年までで97件、95年以降は10月までで423件3)になる。昨年1年間で、世間へのインターネットという言葉の認知は浸透したといえるだろう。また、インターネットのユーザー数は、全国の20歳以上の男女の1.1%で利用しているという数字4)や、270万人5)という数字もある。新聞やテレビなどの大衆メディアと、キオスクやコンビニなどで大量販売される雑誌と比べて、インターネットのメディアとしての普及度はまだおよばない。しかし、特定の読者層を対象とする雑誌などのメディアと比べれば、そのネットワーク情報資源の量や質に問題があるとしても、すでに実用の段階に達しているといえるだろう。
 では、学術機関のWWWサーバーや図書館OPAC公開の現状はどうなっているのであろうか。学術機関のインターネット接続数(ac ドメイン数)は609機関 6)、学術機関のWWWホームページ数は334機関7)、日本国内の大学図書館関係WWWサーバー数は59館8)、日本国内図書館OPAC数は27館9)、「パイロット電子図書館」には国立国会図書館と県立図書館など25館が参加している10)。今年度の図書館におけるインターネット利用はさらに加速しそうな状況である。昨年までは「インターネットって何?」ですますこともできたが、今年度は「インターネットで図書館はどう変わるか?」がメインテーマであり、図書館員が傍観者のままでいることは許されないだろう。
 ネットワークの効果や価値、そしてネットワークの利用や維持・管理の大変さも、自分でやってみないと実感しにくいため、図書館員でさえ新聞、テレビや雑誌の報道に踊らされている場面も多い。そこで、95年12月号では図書館員向けにインターネットの概略を紹介したので、今回は96年4月中旬までの企業などのインターネットへの対応を参考にして、個々の図書館や図書館員がインターネットにどのように取り組んでいったらよいのかを考えてみたい。

1 インターネットへの社会の対応   このページの最初へ

 インターネットが世間でもてはやされるのは、情報基盤整備の関連事業による公共投資や、パソコン・周辺機器、マルチメディア、ネットワーク関連商品の生産・販売の増加にともなう景気浮揚効果に期待する心理的要素が大きい。さらに、企業には、経営形態と企業組織あるいは産業構造の転換を促す電子決済やエレクトロニック・コマース(EC)への早期対応によって、経営基盤を先行投資的に整備しようとの思惑もある。さらには社会習慣や伝統文化へのインターネットの影響を考慮する必要もある。
 このような状況を踏まえて、次のような指摘がなされることになる。

「むしろ非難されるべきなのは、ゆらぎつつある従来の共同体のなかで自らの価値観を見つめ直すこともせず、インターネットを技術的・経済的側面からしか捉えようとしないわれわれ日本人なのである。そういう知的怠惰が、電子マネー至上主義のもとでの暗い未来図を招き寄せるのだ。・・・(中略)・・・野放図な電子マネー市場主義のもたらす不幸の回避策は、たやすく手に入りはしない。それは結局、個々の精神の遍歴するプロセスを通じてしか、見いだすことのできないものではないか」11)

「現在の日本に求められているのは、英語を話す人材の育成ではなく、むしろ日本語と日本の文化に精通した人材の育成なのかもしれない。異文化コミュニケーションにとって必要なのは、相手にきちんと自分たちが何者であって、どのような文化をもっているかを説明できることだからである」12)

 インターネットと図書館の関係もこれらの指摘とまったく同じと考えてよいだろう。図書館は、図書館本来の機能を果たし、図書館のアイデンティティを確立し、地域社会やキャンパスに向かって自己主張する必要がある。図書館にいま一番求められているものは、ネットワークや普通の会話も含めたコミュニケーション能力を高め、図書館のおかれているコミュニティとのコミュニケーションを緊密にすることなのではあるまいか。

「コミュニケーションはコミュニティの成立基盤である。これまでは、それが物理的な環境に制約されていた。学校や社会、地域のコミュニティは存在していたが、それ以外のコミュニティに参加することは非常に難しい。そういった物理的、時間的な壁をいきなり取り払うのがインターネットである。こうした新しい環境は、企業と企業、企業と消費者、企業と地域社会といったさまざまな間柄にも影響を及ぼすだろう。インターネットは企業と企業を結ぶものではない。個人と個人を結ぶものであり、コミュニティとコミュニティを結ぶものである」13)

 実は、インターネットで大きく変わる可能性をもっているのは、学校、社会、地域、企業、個人などの様々なコミュニティなのである。
 インターネットは、コミュニケーションツールとしてコミュニティ間の情報アクセスを保障する。図書館は、コミュニティによって蓄積された生活・生涯学習・地域行政などの地域情報や、キャンパス情報などのコンテンツを、インターネットによりネットワーク情報資源として公開していくことができる。この情報アクセスの保障と情報の蓄積・提供が図書館本来の機能である以上、インターネットへの図書館の貢献が期待される。もちろんそれを引き出すのは図書館員の役割となる。

2 インターネットへの企業の対応   このページの最初へ

 企業の情報発信の一例として就職情報を取り上げてみる。

「企業にとっては新しい自社情報を全国に公平に提供でき、学生は大学や自宅にいながら企業情報を簡単に入手できる。しかし、インターネットの導入は過渡期だけに、大学の就職課が対応に追われたり、学生の間に「インターネットを使わないと就職に不利ではないか」と不安が広がるなど、加熱現象も見られる。”インターネット採用・就職元年”にあたって、上手に使いこなすための工夫が、学生と企業、大学に求められそうだ」14)

 企業にとって、採用情報を印刷物にして全国の大学や学生に配布するのは大変な時間と費用を要する作業であるが、インターネットならば時間も費用もほとんどかからない。インターネットでは、頻繁に更新される情報の公開や、多人数を対象とした情報の頒布が容易にできるからである。大学におけるインターネット利用が本格化するのは、図書館活動ではなく就職活動においてなのであろう。
 ここでは、インターネットにおける情報発信の特性として、従来の技術では実現できなかった情報伝達における速報性、公開性(オープン性)、経済性の3点に注目しておきたい。もっと重要なのは、大学・学生による情報要求が明確に存在し、企業がそれにこたえる内容の情報(コンテンツ)を提供している点である。要求とそれに見合ったコンテンツがそろって、はじめてインターネットも機能しはじめ、コミュニティにおける情報基盤整備が加速するのである。15)
 さて、企業の多くは情報の共有化を行うためにオフィス内のパソコンを専用ケーブルで結んだLAN(Local Area Network)をもっている。企業では、LANを丸ごとインターネットに接続することで、インターネットの技術を使って作業環境が統一された低コストの社内(INTRA)ネットワーク、いわゆるイントラネット16),17)の構築をはじめている。現在はLANからイントラネットへの移行段階であり、セキュリティの問題もあるため、従来の社内LANとUNIX系のワークステーションによるインターネット接続の2つのネットワークを並行して維持している会社が大半である。イントラネットでは社内データベースに蓄積・更新されているデータをシームレスにインターネットに公開することができるようになる。さらに、インターネットと社内情報システムの相互乗り入れにより、操作性のよいWeb ブラウザを使って、ネットワーク情報資源といっしょに社内データの検索や更新ができるようになる。社内データのセキュリティのためには、「防火壁」(ファイア・ウォール:Fire Wall)がインターネットとLANの間におかれる。「防火壁」によって、インターネットからアクセス可能なコンピュータと不可能なコンピュータを区別したり、外からはアクセスできないが中からならアクセスできるといった設定をおこなうことができる。
 現在、多くの図書館で行われつつあるUNIX系のハードによるクライアント・サーバー型のインターネットと接続した図書館システムの構築や、図書館OPACのインターネットへの公開なども一種のイントラネットにあたるといえる。

3 インターネットへの図書館の対応   このページの最初へ

 インターネットに関連する特集18), 19), 20)からは、インターネットの図書館業務への応用を展望することができる。インターネット活用の連載21), 22)も開始されている。
 大学図書館では、具体的なアクションプランもだされており、個々の館のシステム構築の参考にできる。

次期図書館システムにおける基本的方向性
1)OPACにおける遡及入力の拡大と主題検索の整備
学情の総合目録DBのインターネット上での無料公開
2)目次、抄録・索引、全文、画像の統合的な提供システムの実現
3)大学図書館電算化経費の増額
4)検索から入手までのシームレスな情報提供システムの実現
5)検索とデリバリーのリンクと商業システムとのゲートウェイの実現
6)印刷体資料の電子メディアへの変換と、それによる保存・サービスコストの削減
7)館内体制の再編・整備、予算措置の確保、学内関係部局との連携・協力
8)大学共同サーバーや要員研修による大学間の資源の共有と効率的利用
9)情報サービス拡大と情報発信機能強化のため、業務処理手順の見直しと合理化
次期図書館システムの具体化に向けての行動計画(アクション・プラン)案
1)大学図書館情報サーバーの構築
2)大学間共同サーバーの構築
3)ドキュメント・デリバリーの改善
4)テキストの電子化とアクセス手段の提供
5)利用者スペースの情報利用環境の整備
6)大学図書館業務システムの見直しと改善
(次期図書館システムの具体化に向けて:
国立大学図書館協議会図書館情報システム特別委員会
次期電算化システム専門委員会第2次報告23)より)

提 言
1)新しい情報環境に大学が対応することの必要性
2)大学図書館の役割と機能の再検討の必要性
3)学術情報の範囲の拡大とそれに対応するサービスの必要性
> 4)発展する電子メディアとコンピュータ・ネットワーク活用の必要性
5)ネットワークのサービスとデータベースの重要性に着目することの必要性
6)著作権への認識を深め、適正な対応を検討することの必要性
7)学術情報支援サービスを支える組織を考えることの必要性
((社)日本私立大学連盟学術情報支援サービス分科会編.
ネットワーク時代の学術情報支援24)より)

 公立図書館のインターネットへの取り組みは遅れている25)。しかし、北米の状況26), 27)と比べて、公立図書館におけるレファレンスサービスや生活・生涯学習・地域行政情報提供の不十分さと、それらのサービスや情報提供が本来的業務であるとの認識が低いことを、実現可能な具体策も示さずに指摘するのはいささか酷であると考える。とはいえ、問題点を指摘28), 29)されるだけ幸せなのかもしれない。ハイテクを駆使した大学図書館でもローレベルな状況は存在しているが、公立図書館に対するほどの厳しい批判が公表されることはほとんどない。 
 根底にあるのは従来から取り上げられることの少なかった経済効率の問題である。

「図書館における経済効率の追求は、従来わが国の図書館ではあまり関心が払われてはこなかった。しかし、これからの日本の経済的社会的な図書館環境を考えると、北米や西欧の図書館と同様に、図書館運営における経済性の問題は避けて通れないと見られる」30)

 経済性の観点から考えるなら、現在の人員、予算、施設・設備で可能なサービスは何と何で、どのサービスを優先して行うべきか、さらに、求められるサービスを提供するためにはどれくらいの人員、予算、施設・設備が必要で、それらの資源はどの程度まで図書館が獲得できるのかなど、総合的に検討しなければならない。職員数が数百人のサンフランシスコ公共図書館31)と同じことができるのか、どこまで、どうやって近づくことができるのか、大学図書館も含めて現場の立場から真剣に考える必要があるだろう。
 図書館にとっての機械化とは、オンライン総合目録とオンライン利用者目録(OPAC)であり、オフィスオートメーションによる業務の省力化であった。目録の検索効率と図書館の業務処理能力はいくらか向上し、ドキュメントデリバリーやILLへの応用も進み、図書館サービスは向上している。特に図書館の基幹業務である整理業務の省力化は飛躍的に向上した。そこで、図書館全体の生産(サービス)効率は投下した費用にみあうほど向上していないように感じるのは私だけなのだろうか。どこかに障害があるのではなかろうか。大学図書館のコンピュータ導入により、実現できた業務の省力化と合理化でうまれた余力が利用者サービスに当てられていない原因を、職員をまとめあげる図書館管理職の不在に求める考え32)には全く賛成である。また、機械化で得られたはずの教訓は、図書館のネットワーク化や電子化にいかされ、組織運営に正しく反映する必要がある。機械化は既成事実であるが、分散処理のUNIX系のハードでインターネット接続する際には、従来の組織運営形態をできる限り変更していく必要がある。
 インターネットの要求する新しい行動様式を図書館に定着させることは、困難かつ重要な課題である。

「インターネットとわれわれとの間柄をみるたびに感じるのは、インターネットをインターネットらしく利用することの難しさである。インターネットらしく使おうとした瞬間、既存の社会と摩擦を起こしてしまう場面がしばしばあるからだ。分散処理というインターネットの特徴を生かそうとすれば、組織の階層構造が邪魔になる。だからといって階層構造を無視する使い方をしたら、とたんに組織の中の既得権益者、すなわち組織構造によって利益を受けている人との摩擦が起こることは間違いがない。つまり、インターネットをインターネットらしく使うには、既存の権力との調整が課題となる。逆に、これまでの産業文明的な常識に基づいて企業が行動を起こすと、インターネットの美点を損なうものとして、利用者たちからの猛反発を受けてしまう可能性もある」33)

 インターネットの自己矛盾に満ちた行動様式こそが、硬直した図書館組織を変革するきっかけとなるであろう。

4 インターネットの活用レベル   このページの最初へ

 インターネットを業務に利用している大学図書館・専門図書館は多い。すべての国立大学ではキャンパスLANが敷設され、すべての国立大学図書館でインターネットは利用可能である。単純にインターネットの利用といっても、その利用のレベルは様々である。

インターネットの活用レベル
アクセス
1)キャンパス・会社・庁舎にLANが敷設されていて、インターネットに接続している。
2)職員用のハードウェアは2人につき1台以上が用意されている。
3)図書館に利用者用のインターネット端末を設置している。
4)職場に自宅からのアクセスが可能である。
管 理
1)ネットワークの維持・管理のための要員、組織、予算が確保されている。
2)図書館組織、業務処理手順、資料の運用規則などの改定に着手している。
3)設置母体と図書館とのネットワーク政策の調整ができている。
4)館種による協議会などで共同サーバーの設置、研修を検討している。
サービス内容
1)図書館からネットワーク情報資源を利用でき、参考業務にも活用している。
2)OPACを公開して、目録の遡及入力が進行している。
3)図書館のホームページを公開し、パブリック系職員が内容を更新している。
4)構成員には、有料の外部データベースを課金しないで提供している。
5)資料の電子メディア化を進めている。
6)対話型のサーバーを運用していて、ホームページにより、参考質問や資料の予約の受付ができる。

 図書館が供給する最小限のインターネットでのサービスメニューは図書館ホームページの開設、図書館OPACの提供、参考業務への活用であろう。ホームページには図書館案内と図書館利用者にとっての有用なリンク、所蔵している貴重資料の紹介で当面はよいであろう。従来からの一連の機械化の流れでOPACは簡単にネットワークにのせやすい。目録データの遡及入力、主題検索、雑誌や図書の目次の提供には徐々に取り組めばよいだろう。コンテンツの分量が増えたらホームページの内容自体を検索する機能を持たせることも必要になるだろう。

5 Web OPACとZ39.50の構造   このページの最初へ

 図書館がインターネット上に情報資源として提供できる一番大きなファイルが蔵書目録である。商品カタログとしての大学図書館のOPACの役割は、図書館サービスにおいて今後さらに大きくなっていくと考えられる。参考業務の予備調査で必要な書誌事項の確認や所在確認をしなければならないときに役立つのは、インターネットで検索のすることのできる個々の図書館のOPACと総合目録である。図書館の目録の今後については詳細な報告がある。

「図書館目録への関心は近年急速に変わった。以前のように図書館員がこぞって整理作業に注目するようなことはなくなったし、このところテクニカルサービス部門は合理化の対象である。わが国でも、公共図書館では業務委託の定着によって、図書館員が直接に目録業務に携わらなくなっており、また大学図書館では共同目録作業(コピーカタロギング)と利用者用のオンライン目録(OPAC)により目録業務は大幅に縮小された。その結果、目録については議論の余地がなくなったかのように、話題にのぼらなくなっている。しかし、年々の出版量は大きく伸展しつつあり、そしてCD−ROMなどの新しい媒体、なかでもネットワーク情報資源(インターネット上に存在する情報)の増大はめざましい。情報量の増大に対しては、目録業務の一段の合理化が求められようし、また、新しいメディアの情報を目録体系の中にいかに包み込んでいくかが問題となる。一方利用者では、普及しつつあるOPACによりこれまで以上に目録を利用するようになっているのも事実である。こうした新しい展開において、目録は、今後どのようにあればよいのだろうか。目録の現状をデータの面とサービスシステムの面からとらえ、今後の目録のあり方を考える」34)

 ネットワークでは一歩先を行く北米の目録作業の状況も報告されている35)
 目録のありかたとあわせて、資料提供のための制度の整備やOPACの操作性の向上に努めることも必要でり、次は検索インターフェースの仕組みと操作性について紹介したい。
 まず、Web OPAC検索に限らず、クライアントとサーバーの構造はネットワーク時代の図書館員として大雑把に把握しておきたい。サーバーは、他のコンピュータのために処理を実行するコンピュータで、クライアントは、処理を要求するコンピュータである。サーバーが作業を行う方法についてはクライアントは関知せず、クライアントは必要な情報だけを受け取る。
 A館のWebブラウザでB館の利用案内を見る場合がもっとも単純なWWWの構造の実例である。A館の利用者がB館のホームページの利用案内へのリンク(参照)をマウスでクリックすると、B館のサーバーが利用案内ファイルを送り返し、A館のWebブラウザがそれを表示するという具合である。A館のコンピュータがクライアントで、B館のコンピュータがサーバーとなる。
 より複雑は利用である(図1)は、A館のWeb ブラウザ(Aコンピュータ)から、B館のWeb OPACを検索するような双方向での対話的な利用である。A館がB館のホームページ上のB館OPACへのリンクをクリックすると、B館のOPACサーバー(Bコンピュータ)は検索語の入力フォームを送り返してくる。そこで、A館が検索語入力フォームに適当な検索語を入力すると、B館のOPACサーバー(Bコンピュータ)は、検索要求を蔵書目録データベースの検索を行うB館のXコンピュータに取り次ぎ、XコンピュータはYプログラムを使って検索し、Zプログラムを使ってリストに整形し、Bコンピュータにリストを送り返す。ここまでがB館での処理になる。そこで、BコンピュータがA館のコンピュータにそのリストを送り返し、A館のWebブラウザがそのリストを表示する。このような流れでA館の利用者がB館のOPACを検索できる
ようになっている。BはAのサーバーであり、Xに対してはクライアントになる。このような相互作用による分散処理がインターネットでは行われている。

(図1)対話的なWWWの構造 [size=11k] 36)

 OPAC検索をもっと簡単により高度に行うには、日本ではまだ供給されていないZ39.50プロトコル対応のクライアント・サーバー・システム37)を使う方法がある。この方式(図2)では、ユーザー側で用意したインターフェースにより、常に同一の検索画面から異なった図書館のOPACやLAN上の2次資料データベースなどの検索が可能になる。Web OPACのように、相手方から送られる検索フォームによる異なった検索方式にわずらわされることがなくなるわけである。Web OPACでは、ネットスケープなどのブラウザーにより相手の送ってくる検索画面に従って検索するが、Z39.50対応のOPACでは、常に自館の検索専用画面からすべて検索できるのである。さらに、クライアントソフトの機能にもよるが、同時に複数館のOPACを検索したり、任意の検索集合の論理演算も可能になり、検索結果の並べ替えや表示項目もユーザー側ですべて設定できる。使いやすい図書館OPACや2次資料・全文データベースを提供するには、Z39.50とWWWとのハイブリッド型検索インターフェースの開発を、図書館と図書館システム供給会社の協力により推し進める必要がある。

(図2)Z39.50の構造 [size=11k] 38)

 すでに、汎用機時代のような特別な知識をもった専門業者に頼らなくとも、図書館や情報処理センターのUNIXワークステーション上で検索の仕組みを動かすことが可能な時代になりつつある。簡単な検索プログラムやネットワーク管理のプログラムなどはネットワーク情報資源として簡単に入手できる。また、データベースを組み込んだWWWサーバーやイントラネット専用サーバーの供給、ネットワーク管理ツールの普及、専用回線使用料の価格低下など、システムの構築、運用、メンテナンスがやりやすくなる方向に向かいつつある。また、情報処理センターや教員の協力により分散処理システムやオープンシステム環境での図書館ホームページを構築し39), 40)、図書館で実際の運用を担当することもできる。図書館システムの構築・運用・メンテナンスについての従来からの考え方を根本的に変えることも可能なのである。
 しかし、図書館におけるシステム担当のスタッフの不足は深刻であり41)、この方向に方針を転換するのは難しい。とはいうものの、インターネット時代の図書館においては、コンピュータ科学者と経営学者の技能を併せ持ち、そして昔ながらの司書の能力も多少は持った「情報プロフェッショナル」な司書を求める意見42)もある。図書館システムの構築と並行した図書館内での「人材育成」こそが最大の課題なのである。

6 Web OPACとZ39.50 の検索   このページの最初へ

 ここでは当館で業務用に導入しているOCLCのFirstSearchの北米図書館の総合目録であるWorldCatを2つのインターフェースで検索して、先のWWWとZ39.50の操作性と画面展開について簡単に紹介する。Z39.50インターフェースは学内ユーザーにLANで提供しているMEDLINEの検索のために導入されているOvid社のものである。
 (図3)は、FirstSearchの送りかえしてきた検索フォームである。 library administration 関係の資料を検索してみよう。件名、著者、タイトルのフィールドを指定でき、出版年、資料タイプ、言語で限定できる。図では、全フィールドを指定し、資料タイプの欄を開いて全資料タイプを選択しようとしている。

(図3)WWW:WorldCat検索語入力画面 [size=44k]

 (図4)はその検索結果で、7206件ヒットしたものの検索一覧の10件分である。タイトルのアンダーライン部分にリンクが張ってあり、そこをクリックして詳細な書誌レコードを表示させる。

(図4)WWW:検索結果一覧 [size=54k]

 (図5)は、詳細レコード表示である。画面上部の Libraries With Item のボタンをクリックして所蔵館を表示させると、地域ごとに所蔵館が表示され、ILLでの提供の可否も表示される。

(図5)WWW:詳細レコード表示 [size=53k]

(図5')WWW:所蔵館表示 [size=44k]

 (図6)では、Z39.50インターフェースにより library と administration で検索した後、2つの検索集合の論理積をとっている。詳細書誌レコード表示では、書誌レコードと所蔵館をいっしょに表示できる。表示したいフィールドを選択でき、検索結果レコードをダウンロードする際に必要なフィールドだけもってくることができる。

(図6)Z39.50:WorldCatでの検索語入力画面 [size=17k]

(図6')Z39.50:WorldCatでの検索結果一覧 [size=35k]

(図6'')Z39.50:WorldCatでの詳細レコード表示 [size=30k]

 (図7)は同じインターフェースで、米国立医学図書館により供給される医学2次資料データベースであるMEDLINEを検索したものである。MEDLINEはデータを図書館内のハードディスクにおいてキャンパスLANで提供されるので検索は高速である。
 ほかのZ39.50のインターフェースでは、左側に一覧表示、右側に詳細レコードを並べて配置でき、出版年などによる一覧表示のソートも可能である。

(図7)Z39.50:MEDLINEでの検索結果一覧 [size=22k]

7 情報の値段によるユーザー格差   このページの最初へ

 経済性の問題から派生して、予算確保に苦しみはじめている図書館として、出版社による情報の価格づけにも注意を払う必要がある。ネットワーク情報資源には無料のものも多いが、有用な情報は有料で提供される場合がほとんどである。質の高い情報提供を行うには、ネットワーク基盤への投資とあわせて、ネットワーク情報資源へのアクセス料金や利用料金、電子雑誌の購読料などを新たに確保することが必要になる。ネットワークによる複数利用者の使用が前提になるためかなりな金額が必要であるし、出版社による情報利用にたいする料金設定が過渡期なのである。43), 44)
 LANによる朝日新聞の10年分の記事を検索できるシステム(Digital News Archives:DNA)45)が朝日新聞社から発売される。データの利用料金は、端末台数による定額料金で、20台まで月8万円(単価4千円)、200台まで月35万円(単価1,750円)、他にデータを流すためのサーバーと検索システムが必要になる。無料体験が当面の間インターネットでできるようになっている。この号が発行される頃でも、登録制の2週間体験利用などの制度や、機能を限定した試用版が公開され続けられていれば試してみることができるだろう。
 オンラインでのみ流通する有料の『インターネット・ウオッチ』46)は、インターネット関連のニュースを電子メールとWWWで配信する日刊電子新聞で、土日をのぞく毎日「出版」される。1995年12月から1996年2月までの無料テスト中には3万2千人が試読し、3月から月額2,400円の有料購読に切り替えられたが、2月中旬までに1万2千人が有料購読を申し込んでいる。当面は2万人の購読者獲得が目標とされている。LANへの公開は別料金体系である。特定テーマのホームページ紹介やインターネットの動向紹介などが日々なされるので大変に重宝である。
 では、『DNA』や『インターネット・ウオッチ』をLANに流すとしたらその料金は図書館が負担するのであろうか。すべてを図書館でまかなうことは不可能であるから、利用者から利用の都度、図書館の一定額補助を超える金額を利用者から徴収するのだろうか。それとも無料原則を逃げ口上にしてこのような有料サービスの提供は行わず、有料情報へのアクセスは利用者個人まかせにするのだろうか。また、大量に出回っている有料のデータベース、特に文献をその場で入手できる全文データベースなどを、どのようにセレクトして図書館蔵書に組み入れていくのだろうか。有料データベースの相互貸借などできない相談であるから、ネットワークが整備され、データベースも整備された図書館の利用者とそうでない図書館の利用者の格差はますます広がるばかりである。

「今までの日本におけるサービス産業では「最低限度守らねばならないのはこれだ」と下の線を決めて、行政が護送船団方式で業界を仕切ってきた。「より厚いサービスが欲しい」と思う人と「最低レベルでいい」と思う人の間には大きな差がある。日本では、最低ラインに揃えないと不公平であるという論拠を立ててサービスの選択肢を貧弱なままにしてきた。それは政治としては正しいが、商売としては正しくない」47)

 非営利機関である図書館は、このような政治的判断を行うことが多いだろう。ユニバーサルサービス48)の理念をたてに全体の質的向上を遅らせることは賢明な対応ではない。ネットワーク時代を迎えて、最低限のサービスの維持と有料で手厚いサービスの提供とのバランス感覚が図書館に要求されている。

8 ま と め   このページの最初へ

 インターネットと社会のかかわりの中から、コミュニケーション能力を高めることの必要性と、図書館のアイデンティティを確立することの重要性が認識できた。インターネットと企業のかかわりの中からは、速報性、公開性(オープン性)、経済性というインターネットの特性がみえてきた。発信する情報の中身(コンテンツ)の重要性も確認できた。社内LANとインターネットの相互乗り入れによるシームレスな情報システム(イントラネット)の構築が企業における最近の動向である。
 インターネットと図書館のかかわりでは、インターネットの求める「新しい行動様式」を定着させることの困難さを指摘した後、インターネットの図書館での活用レベルを整理した。ここでは、インターネットやニューメディアなどの「道具」が新しくなっても図書館の使命に変化はないことを確認した。
 図書館の情報発信の重要なコンテンツとしてOPACを取り上げた。OPACは図書館が蓄積してきた情報の目録であり、図書館における文献・情報提供サービスの基盤である。WebとZ39.50による検索の仕組みと操作性で紹介したように、OPACは遠隔地からの利用が可能になり、操作性能も向上している。これからの課題は、件名の整備による検索性能の向上や、目次・抄録データの入力による検索画面での資料の内容確認の実現など、目録の機能向上に努めることであり、文献提供の技術的・制度的な整備を行うことである。現行の図書館における情報検索から資料提供の仕組みは、検索から文献入手まで一気にできてしまうインターネットやCD−ROMでの全文データ検索の仕組みと比べて、はるかに見劣りがする。索引の有効性や図書館に蓄積された紙メディア情報の価値をアピールするには、新たな機能をもったOPACを展開することが必要で、そのための人材育成や組織改革による図書館の業務処理能力の向上が不可欠である。とはいえ、これまで改善されなかったものが、ネットワーク時代になったからといってどうなるものでもない。そこで、ネットワーク情報資源の活用という新たな方向が模索されるのである。
 最後に「情報の値段」を取り上げ、ネットワーク情報資源を図書館サービスに組み込むことの困難さと、進行する図書館のサービス格差の存在を指摘した。

おわりに−−図書館のアイデンティティ   このページの最初へ

 図書館は機械化でどのような状況に置かれていて、これからネットワークでどのように変わるのだろうか?インターネットが社会に浸透して電子出版や電子図書館49), 50)(またはディジタル図書館)が出現しても、紙メディアの情報資源は消失しないし、大きく衰退することもない。紙メディアと電子メディアの補完関係51)にこそ注目すべきである。
 図書館は様々な情報トゥールを最大限に利用して、あらゆる電子メディアと紙メディアの情報資源を、直接来館者やネットワーク経由の利用者に提供することでその使命を達成できる。各々の図書館の考え方や戦略により、紙と電子の二つのタイプの情報資源への力のかけ方は異なってくるが、片方だけで済ますことはできないだろう。52)
 コンピュータやネットワークなどの情報トゥールが発達して、社会が高度情報化にむけて大きく変化しても、図書館の使命自体はまったく変わらない。相変わらず図書館の使命は次の2点に集約される。53)

  1)知的(情報)資源へのアクセスの保障
  2)知識(情報)の継承・保存

 この点をおさえて道具としてのインターネットに対処することが、インターネットとの正しいつきあいかたである。
 さらに、「図書館にとってのインターネットとは?」より、「大学/自治体/企業にとってのインターネットとは?」を先に考えなければならない。大学図書館、公共図書館、専門図書館、学校図書館という図書館コミュニティでは、お互いのコミュニケーションは希薄である。それ故に、図書館の設置母体である学校、自治体、企業のつくるそれぞれのコミュニティ内で、それらの構成員と図書館との相互協力をより強固なものにしておかなければならない。そうすることによって異なったコミュニティー同士の成熟したつきあいが可能になるのである。
 また、インターネットの自己主張である”対等な関係”は、インターネットに参加する個々の図書館に、既にインターネットに参加している様々な組織との対等な関係や同等の責任を求めてくる。インターネットに参加する個々の図書館は、いままで組み込まれていた、図書館協議会、書誌ユーティリティ、さらに大学や自治体などの階層構造から飛び出して、圧倒的なパワーをもったインターネットなコミュニティーと一人で向き合うわけである。それ故に、我々には「インターネットにとっての図書館とは?」という問いかけに応えることのできる図書館自身や図書館員自身のアイデンティティと明確な自己主張が必要となるのである。
 「図書館はインターネットで変わるのか?」という問いを発してみたが、図書館や図書館員は「変革」に向かって踏みだすことができるのだろうか。それとも、21世紀に向かって新たな「混沌」が始まるだけなのだろうか。

引用・参考文献   このページの最初へ

1) 古瀬幸広; 廣瀬克哉. インターネットが変える世界. 1996.2, 209p. 岩波新書 まえがき p.iiより  return

2) 田中明彦. メディア時評:インターネット普及重要なルールの議論. 読売新聞. 1996.03.31  return

3) 朝日新聞の Digital News Archives . <URL:http://tokyonet.asahi.com:1080/dnaexplain.html>  return

4) マーケット情報. Internet watch. 1996.03.27 <URL:http://www.watch.impress.co.jp/back_no/index.htm/>  return

5) 日本インターネット協会編. インターネット白書 '96. インプレス, 1996.4 まえがき  return

6) <URL:ftp://nic.ad.jp/pub/jpnic-pub/stat/Connected_Domains>  return

7) <URL:http://www.jicst.go.jp/dir-www/edu-jp.html>  return

8) <URL:http://www.libra.titech.ac.jp/libraries_Japan.html>  return

9) <URL:http://ss.cc.affrc.go.jp/ric/opac/opac.html>  return

10) <URL:http://www.cii.ipa.go.jp/el/index.html>  return

11) 西垣通. インターネットで共同体は崩れるのか. 世界. No.622, p.291-304 (1996.5) p.304より  return

12) 古瀬幸広; 廣瀬克哉. インターネットが変える世界. 1996.2, 209p. 岩波新書 p.179より  return

13) 12)古瀬幸広; 廣瀬克哉. p.172より  return

14) インターネットの活用就職戦線で本格化:最新情報を確実に:電子メールで応募も. 読売新聞. 1996.04.22, p.9  return

15) キャンパスで進む電子化革命:教育の質大幅に向上 :インターネットも活躍. 読売新聞. 1996.05.10(夕), p.19  return

16) 運用開始した学研のイントラネット:その構築過程とメリットを解析する. 新文化. No.2160, p.1 (1996.4.18)  return

17) 亀井朗; 山下薫. A case study on the creation and maintenance of a WWW server's contents within an enterprise. <URL:http://www.toyo-eng.co.jp/W3-Conf/paper.html>

 東洋エンジニアリング(株)における企業のWWWサーバーの構築と管理について、アクセスログの解析結果を交えて報告している。

18) 日本図書館学会研究委員会編. ネットワーク情報資源の可能性(論集・図書館情報学研究の歩み 第15集). 日外アソシエーツ, 1996.1, 187p.  return

19) 電子図書館の未来. 人文学と情報処理. No.9, p.3-71 (1995.9)  return

20) 特集 機械化から電子化へ. 現代の図書館. Vol.33, no.4, 1995.12.  return

21) 連載:インターネット活用術. 情報の科学と技術. Vol.46, no.1 (1996.1)-  return

22) 連載講座:インターネット活用法. 情報管理. Vol.39, no.1 (1996.4)- 12回連載  return

23) 次期図書館システムの具体化に向けて:国立大学図書館協議会図書館情報システム特別委員会次期電算化システム専門委員会第2次報告 平成7年6月 29p.  return

24) (社)日本私立大学連盟学術情報支援サービス分科会編. ネットワーク時代の学術情報支援. 開成出版, 1995.10. 388p.  return

25) マルチ読書のコーナー:津野海太郎著「本はどのように消えてゆくのか」(晶文社, 1996):インターネット時代を迎えた出版人の電子メディア体験エッセイ. 読売新聞. 1996.3.18

 紀田順一郎:この本には図書館のことが出てきませんが、電子図書館についての考えも聞きたい。未来の読書メディアには、エレクトロニック・ライブラリの概念が不可欠でしょう。目下実現しつつあるのは大学や専門機関の電子図書館ばかりで、公共電子図書館の観念が欠けている点など一言あって然るべき。
 清水哲男:その点は、私も感じましたが、公共図書館の職員の話を聞くと、何はともあれ本離れをくい止めることに懸命で、とてもそこまでは頭がまわらないようです。現場にとってはまだ夢物語くらいの認識しかないのでは・・・・。  return

26) 根本彰. インターネット時代の公共図書館サービス米国の状況を中心に--. ネットワーク情報資源の可能性/日本図書館学会研究委員会編. 日外アソシエーツ, 1996.1 p.37-61  return

27) 井上靖代. インターネットと図書館(1)-(2). [京都外国語大学]研究論叢. No.45, p.227-252 (1995); No.46, p.162-172 (1995)  return

28) 常世田良. 公共図書館における機械化の現状と今後. 現代の図書館. Vol.33, no.4, p.238-243 (1995.12)  return

29) 相原信也; 田中久徳. ネットワーク時代における図書館の公共性. 現代の図書館. Vol.33, no.4, p.244-249 (1995.12)  return

30) 高山正也. 機械化図書館から電子図書館への展開--情報化環境の図書館に及ぼす影響と図書館の類型化. 現代の図書館. Vol.33, no.4, p.231-237 (1995.12) p.234 より  return

31) 悦子・ウィルソン著. サンフランシスコ公共図書館限りない挑戦. 日本図書館協会, 1995.12, 207p.  return

32) 津金幹彦. 大学図書館設備論V. 看護と情報. Vol.3, p.32-42 (1996)  return

33) 1)古瀬幸広; 廣瀬克哉. p.168 より  return

34) 永田治樹. 図書館目録の現状と将来:メタデータとOPAC. 情報の科学と技術. Vol.46, no.3, p.106-113 (1996.3) p.106より  return

35) 森本英之著; 塚越美加訳. 北米地域大規模学術図書館における目録作成業務:現状および将来展望. 情報の科学と技術. Vol.46, no.3, p.142-148 (1996.3)  return

36) Joy, Finbarr; Murray, Robin. The World-Wide Web and Z39.50: which way for libraries? Vine. No.99 p.38-43 (1995.6) p.39より  return

37) 桂啓壯. OPACの変容:欧米の動向を中心にして. 現代の図書館. Vol.33, no.4, p.264-273 (1995.12)  return

38) 36)Joy, Finbarr; Murray, Robin. p.41より  return

39) 矢崎省三;豊田裕昭. 東京農工大学附属図書館におけるインターネット/WWWホームページの製作と利用教育. 大学図書館研究. No.43, p.36-41 (1996.1) <URL:http://www.cc.tuat.ac.jp/~library>  return

40) 檜垣泰彦;有岡圭子;池田宏明. 千葉大学附属図書館のインターネット情報サービス. 医学図書館. Vol.41, no.3, p.277-285 (1994) <URL:http://www.ll.chiba-u.ac.jp>  return

41) Morgan, Eric Lease. Description and evaluation of the "Mr. Serials" process: automatically collecting, organizing, archiving, indexing, and disseminating electronic serials. Serials review. Vol.21, no.4, p.1-12 (1995) <URL:http://www.lib.ncsu.edu/staff/morgan/report-on-mr-serials.html>にも置かれている。

 電子雑誌を自動的に収集、組織化、保管、索引、配布するシステムが構築されている。ノースカロライナ州立大学では、1992年から1995年7月までに図書館情報学関係の電子雑誌37タイトル、4,197ファイル、165MBを収集し、インターネットにより公開している。
 <URL:http://www.lib.ncsu.edu/stacks/>から利用できる。他の機関により、他の分野のコレクションが同様に構築されることを求めている。査読のある電子学術雑誌を購入してこのコレクションをさらに拡充し、学術情報流通の新しいシステムまでもっていくには、スタッフの不足とコンピュータ技術の知識不足が障害になっている。  return

42) G.スティックス. 電子ネットワークと学術論文. 日経サイエンス. Vol.25, no.2, p.102-109 (1995.2) 原題名:The Speed of Write.  return

43) Graham, Tom. Electronic journals: pricing models. Newsletter on serials pricing issues. No.161 (May 6, 1996) <URL:http://sunsite.unc.edu/reference/prices/prices.html>  return

44) Perspectives on... costs and pricing of library and information services in transition. Journal of the American Society for Information Science. Vol.47, no.3, p.208-246 (1996.5) return

45) 3)朝日新聞の Digital News Archives.  return

46) 大手中堅出版社で進む電子メディア化の現状. 創:つくる. Vol.26, no.4, p.86-97 (1996.4)  return

47) 大前研一. インターネット革命. プレジデント社, 250p. (1995.1) p.111より  return

48) 林紘一郎; 田川義博. ユニバーサルサービス:マルチメディア時代の「公正」. 中央公論社, 1994.3, 224p. (中公新書 1175)

 ユニバーサルサービスについてはここに詳しく紹介されている。  return

49) ディジタル図書館/「ディジタル図書館」編集員会. No.1 (1994.8)- <URL:http://www.dl.ulis.ac.jp/dlw_J.html>からもみることができる。  return

50) W.F.バーゾール著; 根本彰ほか訳. 電子図書館の神話. 勁草書房, 1996.4, 254p.

 電子図書館の隆盛により従来の図書館は衰退するであろうか。否と著者は答える。図書館の存在と図書館員の重要性を再評価する(帯の紹介より)  return

51) インターネット利用の現場から:(株)式会社リクルート;紙媒体の情報誌がまるごとインターネットに. Internet magazine. No.17, p.248-251 (1996.6)  return

52) インターネットと図書館の未来--ネットワーク環境における新たな戦略--(第43回日本図書館学会研究大会シンポジウム記録). 図書館学会年報. Vol.42, no.1, p.63-82 (1996.3)  return

53) 30)高山正也. p.231より  return